DIYで人気の高い家具の中に椅子があります。
他の家具とは異なり、椅子は人が座るため、安全性が非常に重要なため、正しい作り方を知ることが必要です。
本記事では、DIYで椅子を作りたいと考えている方に向けて、「椅子作りの基本」を解説します。
DIY初心者にもわかりやすい内容なので、ぜひ最後までお読みください。
DIYで椅子を作る基本
椅子作りを始める前に、基本的な知識を身につけておくことが重要です。
何も知らないまま始めると失敗の原因になるため、最低限知っておくべきポイントをまとめました。
椅子の各部位の名称を理解する
椅子は主に3つの部位から成り立っているので、それぞれの名称と役割を把握しておきましょう。
座面
座面は実際に座る部分です。使用する素材によって座り心地が変わります。シンプルな椅子なら木材だけでも作れますが、リビングやダイニング用の椅子には布やスポンジを使って、より快適にすることも可能です。また、写真のようにお尻の形に合わせて座面を加工するのも一つの方法です。
脚材
脚材は座面を支える部分で、椅子の安定性に関わります。太くて短い脚材は安定性が高く、細くて長い脚材はぐらつきやすくなります。初心者は、作例を参考にして適切な脚材の太さや長さを決めると良いでしょう。
背もたれ
背もたれの有無は椅子によって異なります。初心者には背もたれなしの椅子の方が作りやすいです。背もたれを作る場合、斜めに角度をつける加工は難易度が高いため、まずは脚材からまっすぐに伸びたシンプルな背もたれを作ることをおすすめします。
椅子の種類
椅子には無数のデザインがあり、さまざまな種類があります。
あなたがDIYで作りたい椅子はどのようなものでしょうか? 椅子は大きく3種類に分類できますので、それぞれを紹介します。
チェア
チェアとは、一般的に背もたれがある椅子のことを指します。ダイニングチェアやデスクチェアなど、日常生活でよく使われるタイプの椅子です。
スツール
スツールは背もたれがなく、座面と脚材だけで構成されています。一人で短時間座る用途に適しており、洗面所や玄関などでよく使用されます。シンプルな構造のため、DIY初心者にも作りやすい椅子の一つです。
ベンチ
ベンチは、背もたれがなく長さのある椅子で、複数人が座れるタイプです。公園などで見かける大きなものから、ダイニングテーブルに合わせた家庭用のものまでさまざまです。座面が長いため、強度やデザインをしっかり考慮して作る必要があります。
それぞれの種類を理解して、自分のニーズに合った椅子をDIYで作ってみてください。
椅子作りDIYに必要な工具と木材
ここでは、椅子作りに必要な最低限の工具と木材について説明します。
作りたい椅子の種類や加工方法によって使用する道具は異なりますが、基本的なものを紹介します。
椅子作りに必要な工具
- ドリルドライバー、インパクトドライバー
- 下穴用ビット
- コーススレッド(ビス)
- サンドペーパー
- メジャー
上記の5つが最低限必要な工具です。
「DIYだからノコギリやハンマーも必要?」と思うかもしれませんが、木材のカットはホームセンターで依頼することができます。自分で切るよりも早く、きれいで、コストも抑えられます。
ただし、組み立ては自分で行う必要があるため、必要な工具は揃えておきましょう。組み立てにはネジを使用し、ドリルドライバーなどの電動工具で締め付けます。釘を打つのではなく、基本的にはネジでの組み立てです。
椅子作りに適した木材
椅子のデザインによって使用する木材は変わりますが、以下の木材が使いやすいです。
野縁(のぶち)・垂木(たるき)
野縁と垂木は木造住宅の建築資材としてよく使われる木材です。
CAINZでは、野縁は30mm×40mm、垂木は45mm×45mmのサイズで販売されています。これらは角材として重宝し、椅子の脚材だけでなく、並べて座面としても使えます。工夫次第でこれらだけで椅子を作ることも可能です。
ツーバイ材・ワンバイ材
DIYの定番木材であるツーバイ材(2×4材)とワンバイ材(1×4材)は、主にSPF材やホワイトウッドが使われています。
耐久性があり、椅子作りに適しています。ツーバイ材は38mm×89mmと大きなサイズで、より頑丈な椅子を作るのに向いています。
カフェ板
カフェ板は厚み30mm、幅200mmのサイズが特徴です。杉材の自然な風合いが魅力で、特にベンチの座面に最適です。
これらの工具と木材を使って、DIYで安全で素敵な椅子を作りましょう。
椅子作りDIYの手順
ここでは、椅子をDIYで作る際の大まかな手順を紹介します。
1. デザインとサイズの決定
まず、どのような椅子を作りたいのかを決めます。SNSなどでアイデアを収集すると、デザインの決定がスムーズになります。また、椅子の使用場所や使用者を考慮してサイズを決めることが重要です。
DIYの利点は、自分のニーズに合わせたオーダーメイドができることです。例えば、背の高い人向けに大きめの椅子を作ったり、お子様向けに小さな椅子を作ることができます。自分にとって使いやすいデザインとサイズで製作しましょう。
2. 材料の買い出し
デザインとサイズが決まったら、材料を揃えます。
初めての方は、ホームセンターで事前に下見をすることをお勧めします。下見をすることで、どのような木材や道具があるかを確認でき、より具体的なプランを立てることができます。急いで購入せず、計画を立ててから材料を揃えると失敗が少なくなります。
3. 実際の製作
材料と道具が揃ったら、製作を開始します。基本的な手順は以下の通りです。
- 木材のカット
- 木材のサンディング(研磨)
- 組み立て
- 塗装
最初に決めたサイズに合わせて木材をカットし、全体をサンディングして表面を滑らかに仕上げます。
その後、部品を組み立てて塗装し、必要に応じて金具などを取り付けます。
各工程には、下穴を開けたり、角を面取りしたりといった細かい作業も含まれます。具体的な作り方は、作例を参考にするか、自分で工夫して進めてみると良いでしょう。
私自身、DIY初心者の頃は、決まったレシピよりも自分でイメージを組み立てながら進めることが多かったです。もちろん、自己流で進めると失敗することもありますが、それもDIYの楽しさの一つです。
DIYは試行錯誤を楽しむことが大切です。自分だけのオリジナル椅子を作り上げる過程を楽しんでください。