土用の丑の日と聞くと、「鰻を食べる日!」と想像する方も多いでしょう。
では、なぜこの日に鰻を食べるのでしょうか?
そもそも土用の丑の日とはどんな日なのでしょうか?
その意味や歴史、2024年の土用の丑の日について解説します。
土用とは?
「土用」(どよう)とは、日本の暦における雑節の一つです。
雑節とは、二十四節気などの補助として設けられた特別な暦日です。
二十四節気は中国から伝わりましたが、日本の気候に合わせて独自に設けられたのが雑節です。
五行思想によれば、万物は木、火、土、金、水の五つの元素から成り立っています。
春は木、夏は火、秋は金、冬は水とされ、季節の変わり目には土が割り当てられます。
これが「土用」です。
土用の期間は春夏秋冬の各季節の年4回あり、それぞれ以下の期間に該当します。
- 立春(2月4日頃)の直前約18日間
- 立夏(5月6日頃)の直前約18日間
- 立秋(8月7日頃)の直前約18日間
- 立冬(11月7日頃)の直前約18日間
2024年の土用の期間は以下の通りです。
土用 | 期間 |
---|---|
冬の土用 | 1月18日(木)~2月3日(土) |
春の土用 | 4月16日(火)~5月4日(土) |
夏の土用 | 7月19日(金)~8月6日(火) |
秋の土用 | 10月20日(日)~11月6日(水) |
土用の期間は、土を司る神様である土公神(どこうじん)が支配する時期とされ、土をいじることや旅行、引っ越しは避けるべきとされています。
丑の日とは?
「丑」(うし)は十二支の一つで、十二支は子(ね)、丑(うし)、寅(とら)、卯(う)、辰(たつ)、巳(み)、午(うま)、未(ひつじ)、申(さる)、酉(とり)、戌(いぬ)、亥(い)の12種類があります。十二支は年だけでなく、月や日にも使われます。
日に使われる場合、1日目が「子の日」、2日目が「丑の日」…と続き、12日ごとに一周します。
土用の期間中に巡ってくる丑の日が「土用の丑の日」です。
土用は約18日間あるため、必ず一度は丑の日が訪れ、場合によっては二度訪れることもあります。
これを一の丑、二の丑と呼びます。
2024年の土用の丑の日
2024年の土用の丑の日はいつになるのでしょうか。
2024年の土用の丑の日は、以下の通りです。
土用 | 丑の日 |
---|---|
冬の土用 | 1月26日(金) |
春の土用 | 4月19日(金)、5月1日(水) |
夏の土用 | 7月24日(水)、8月5日(月) |
秋の土用 | 10月28日(月) |
土用の丑の日と言えば夏が思い浮かびますが、実際には春夏秋冬すべてに存在します。
2024年の夏の土用の丑の日は7月24日(水)と8月5日(月)です。
なぜ土用の丑の日に鰻を食べるのか?
土用の丑の日になぜ鰻を食べるのでしょうか。
夏の土用の丑の日に鰻を食べる習慣は、江戸時代の発明家で蘭学者の平賀源内によるものとされています。
ある鰻屋が夏に鰻が売れないことを相談すると、源内は「丑の日に『う』の付く食べ物を食べると夏負けしない」という風習を思い出しました。
そこで、「本日、丑の日」と店に張り紙をするようアドバイスしたところ、大繁盛したそうです。
実は鰻の旬は冬ですが、夏にも売れるようにするためにこの習慣が広まったと言われています。
土用の丑の日には四季それぞれに存在しますが、特に夏の土用の丑の日に鰻を食べることが一般的となっています。
まとめ
土用の丑の日は、古くから日本で続く伝統的な習慣です。
季節の変わり目にあたる土用の期間中の丑の日に、特に夏には鰻を食べることが一般的です。
この習慣は、江戸時代の発明家、平賀源内のアイデアによって広まりました。
鰻の旬は冬ですが、夏にも健康を維持するために鰻を食べる風習が定着しています。
2024年の土用の丑の日は、冬、春、夏、秋それぞれにあり、特に夏の土用の丑の日は7月24日と8月5日です。
季節ごとに土用の丑の日を迎え、日本の伝統を感じながら美味しい鰻を楽しみましょう。